Mercedes Story
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自然との共生を目指して――設計段階から始まるメルセデスの環境対策とその哲学
“環境性能”-それはこれからの世界の自動車づくりにとって重要なキーワードです。地球温暖化やオゾンホールの拡大など、環境問題が世界レベルでクローズアップされる今、あらゆる工業製品はもはや環境と無縁ではいられません。

では、自動車の環境性能とは、いったい何を指すのでしょうか? まず、みなさんがすぐに思い浮かべるのは燃費経済性や排出ガス浄化性能でしょう。自動車の商品性をアピールするとき、燃費のよさやよりクリーンな排気は分かりやすいポイントですし、実際この2つは今日のクルマ社会の中で、私たちの誰もが意識せずにはいられない性能でもあります。けれど今、自動車に求められる環境性能は、自動車そのものが発揮する性能だけでは不十分になりつつあるようです。

たとえば、自動車を生産するには大規模な工場施設が必要ですし、もちろん生産のための材料も必要です。さらに廃車となった後には、解体・再利用するためにもまた施設が必要になります。自動車が生産されてから解体されるまでに使われるエネルギーは膨大なもので、そのエネルギー消費をいかに低く抑えていくかは、重要なテーマです。つまり、これからの自動車に求められる環境性能とは、自動車そのものだけではなく、資源としてのリサイクル性やひいては生産する工場までをも含めた、トータルでの環境に対する“優しさ”なのです。

もちろん、環境性能というものについての解釈は、自動車メーカーそれぞれによって異なるものです。プライオリティを何におくかでアプローチは違ってきますが、もっとも早くトータルでの環境対策をスタートさせたのが、環境大国ドイツの自動車メーカーでした。とりわけメルセデス・ベンツは、1950年に内装用として初めてリサイクル材を採用して以来、次々に新しい技術を提案して環境対策のリーダーシップをとっています。

メルセデス・ベンツの環境対策のテーマは、自動車を生産することによる環境へのインパクトをいかに低く抑えるかということにあります。そこで考え出されたのが、原材料や生産施設まで含めた、自動車を設計する段階からの環境対策でした。

そんなメルセデス・ベンツの取り組みを象徴するものが、フランス国境に近いライン川沿いの町に建設されたラシュタット工場です。

この工場が操業開始した1992年は、後の地球温暖化防止会議での京都議定書へとつながる通称リオサミット、国連環境開発会議が開催された記念すべき年でもありました。メルセデス・ベンツの3番目の乗用車組み立て工場となるラシュタット工場は、原材料から製品にいたるまでの各工程を無駄なくつなぎ合わせ、世界屈指の高効率な生産体制を作り上げました。生産段階での余分なエネルギー消費を抑えることで、間接的に環境へのインパクトを低減したのです。


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1992年操業開始当時のラシュタット工場

1992年操業開始当時のラシュタット工場
メルセデスのもっとも新しい乗用車組み立て工場、ラシュタット工場は1992年に操業を開始した

現在のラシュタット工場

現在のラシュタット工場

ラシュタット工場(カスタマーセンター)

ラシュタット工場
(カスタマーセンター)



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