Mercedes Story
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製品に込められた伝統と革新-メルセデス・デザインのアイデンティティ
みなさんは、ご自分の愛車とするクルマをどのように選ばれてきたでしょうか?

スタイリングと性能――クルマの購入を検討されるとき、おそらく多くの方がまずこの2つの要素を考えられると思います。魅力的なスタイル、そして基本性能。それはゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツによって自動車が発明されて以来、今日まで自動車に求め続けられてきた最も大切な命題なのです。

では、性能では表せないスタイルの良さとは何なのか。純粋にカタチという点だけ考えれば、優れたものはいくらもあるでしょう。しかし、自動車が道具である以上、そのデザインには機能が伴わなくてはなりません。自動車のスタイルは、スピードも含めた機能との関わりの中で生まれるものなのです。

メルセデスはそのスタートから、“フォルムは機能に従う”という伝統的なデザイン哲学にこだわり続けてきました。世界でもっとも古い自動車ブランドであるメルセデス・ベンツが、100年以上も変わらずブランドのアイデンティティを保ち続けている理由はそこにあります。

たとえば、メルセデスのブランドネームを初めて冠した1901年の“メルセデス35PS”。天才エンジニアのウィルヘルム・マイバッハによって設計された35PSは、低重心のフレームにハニカム・ラジエターを搭載する機能的かつ先進的なデザインで、今日の自動車技術とデザインの基本を築きました。そして、35PSの延長上にある1914年の“グランプリ”モデルは、戦前のレーシングカー・デザインのトレンドを方向付けます。また、1934年の“500K”と翌年の“540K”は、堅牢さと流麗なラインの理想的なバランスがクラシックなスポーツカースタイルの模範とされています。

もちろん戦後のメルセデスも、1954年の“300SL”を筆頭に数多くの優れたデザインを生み出しています。そしてそこには、ルドルフ・ウーレンハウトやベラ・バレニーといった天才エンジニアと、彼らをサポートし時にリードした、優れたデザイナーたちの才能の閃きがありました。なかでも、現在のメルセデス・デザインの方向性を創り上げた、ブルーノ・サッコの名を忘れることはできません。

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18/100PS“グランプリ”モデル

1914年のレーシングカー、18/100PS“グランプリ”モデル
18/100PS“グランプリ”モデル。排気量4483ccの4気筒エンジンは最高出力115psを発揮した(1914年)

メルセデス500K

1934年のオープン2シーター、メルセデス500K
戦前の傑作“500K”はクラシックなスポーツカースタイルの規範となった

ブルーノ・サッコ

ブルーノ・サッコ
ブルーノ・サッコは41年の在籍期間中、メルセデスのデザイン哲学に新しい命を吹き込んだ



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