Mercedes Story
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スリーポインテッド・スターと月桂樹
自動車レースでの大きな成功と戦禍からの復興。1886年の自動車の発明以来、自動車メーカーのトップを競ってきたダイムラー社とベンツ社にとって、20世紀最初の四半世紀は図らずもダイナミックな変動の時になりました。

前世紀の末から続く好景気の中、1914年に勃発した第1次世界大戦は、一転してヨーロッパ全土を戦禍に包みました。敗戦国となったドイツの経済は破綻し、多くの大企業が倒れていきました。

そんな中で、輸入車の攻勢に立ち向かうため、1926年ダイムラー・モトーレン社とベンツ&カンパニーは、両社と緊密な関係にあったドイツ銀行を通じて企業合併を敢行しました。

ダイムラー・ベンツ社の誕生です。この合併は決して急場をしのぐためだけではなく、高級車メーカーとしてのより大きな飛躍を目指したものでした。

果たして、それぞれの会社が育んできた個性はしっかりと一体化し、新しく生まれた「メルセデス・ベンツ」というブランドに、さらなる洗練と奥行きとを加えたのです。

両社の個性は、例えば、合併前の自動車開発にもはっきりと表れていました。

ダイムラー社は、新型ガソリンエンジンを次々に送り出し、高性能車の開発に邁進していました。
メルセデス 35PSのレースでの成功は、1902年にそこから派生した市販車メジンプレックスモシリーズの大きな成功を導き、以降もダイムラー社は主にレースの場でブランドをアピールしていきました。

メルセデス・ベンツのボンネットやフロントに輝く「スリーポインテッド・スター」をご存知の方は多いことでしょう。

1909年に商標申請され、以来変わることなく使用されているスリーポインテッド・スターは、現在のメルセデス・ベンツに受け継がれるもっとも古いデザインのひとつです。

それはゴットリープ・ダイムラーの思想の象徴といえる存在で、三本の光芒は陸・海・空を指し、それぞれの世界でのモビリティーの発展を意味しているのです。

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ダイムラー社とベンツ社のエンブレム

ダイムラー社とベンツ社のエンブレム
ダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフトの“スリーポインテッド・スター”は1909年に意匠登録申請(左)。ベンツ&カンパニーは月桂冠の円形エンブレム(右)
ダイムラー・ベンツのエンブレム
ダイムラー・ベンツのエンブレム
合併時に登録され現在も使用されるスリーポインテッド・スターとリングの商標
現エンブレム
現エンブレム
タルガ・フローリオの写真

タルガ・フローリオの写真
第1次世界大戦でレース活動を停止していたダイムラーは、1921年のタルガ・フローリオにメルセデス28/95PSで復帰
メルセデス22/40PS

メルセデス22/40PS
ジンプレックスの流れを汲むメルセデス22/40PS(1910)。このころボンネット上にマスコットが登場する



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